特定非営利活動法人白河花里倶楽部

 特定非営利活動法人白河花里俱楽部は、福島県の最南端城下町白河市を拠点に活動するボランティア団体です。

 当団体事務所は、大きなお寺が立ち並ぶ旧市内にある築100年の古民家。ちょっと傾いていますが、この角度を保ったまま、3.11大震災に耐えました。古い家は丈夫です。

 画像は、事務所1F窓辺。以前住んでいた方がブルーのペンキを塗っていました。これにDIYでレンガを積み花壇にしました。和洋折衷、とても面白い不思議な空間となっています。

 さて、当団体の名前の由来について説明をさせていただきます。

 養育里親の「里」に、お花の「花」で、「花里」です。里親会になったらとの想いで「倶楽部」も入れました。虐待を受けた子どもたちの心の傷を癒すことは簡単ではありません。これを虐待を受けた子どもたちを養育する「専門里親」様より教えていただきました。そして、この社会には、虐待を受け、傷付いた心を抱えたまま生きる者も多く存在することを教えていただきました。その方々に対し何ができるだろうか?と考えましたが、人間の力は小さく、「何かしてあげよう」というのは、押し付け・自己満足でしかないように感じました。

 そんな中、ベトナム帰還兵の心の治療に「園芸療法」が使われたことを知りました。花を見て怒りだす人は少ない。植物や自然には、人間を癒す力があると思います。だったら、花を介して、人知れず傷ついた心を抱え生きる人々を癒すことができないか?と考えました。

 写真は、2016年に天国へ旅立った保護犬シュー蔵。捨て犬でした。

 今から10年近くも前のことですが、当時、まだ若いシュー蔵と一緒に児童養護施設の花壇ボランティアに行きました。一緒にお手伝いをしてくれた子どもたちの中に、暗く無表情の女の子がいました。何も話さず、後ろの方にぽつんと立っています。ところが、犬には興味があり、シュー蔵を撫でてくれました。シュー蔵は穏やかな性格で、よちよち歩きの子どもが怖がる素振りを見せた時には、わざわざお腹を出して見せる優しい犬。この時も、ただ従順に撫でられるままのシュー蔵でしたが、撫でている間に女の子の顔が輝きだしました。そして、ドンドン質問をしてきます。突然話し出したのです。その時、飼い主に棄てられ傷ついた心を持つ犬には、子どもたちの心の傷が理解できるのだと感じました。子どもたちも同様。邪心のない動物に触れ、安らぎを感じたことが伝わってきました。

 人間には、「共感」する感情があり、同じ境遇の者同士が体験談を語り合うことが癒しとなることがあります。人間以外でも、野良猫や野良犬に餌を与えているホームレスの方々。家がない動物に対して「可哀想」という感情を抱きながら、共感し、相手に自分を重ね、動物を守ることにより自分を守っているのではないかと推測します。社会問題となっている野良猫問題にしても、野良猫を殺処分すれば、餌付け者は社会に自分を否定された・抹殺されたと感じるのではないかと推測します。保健所の犬や猫を可哀想だと思う方々も同様で、様々なご苦労や辛く悲しい体験をされた方が数多く存在するように感じております。

  飼い主に棄てられるという悲しい体験をした上に、ガス室で殺処分では、あまりにも酷すぎます。動物によって癒しを得る者が多い現代社会の中で、助けてほしいと願う人も増えています。また、助かった動物の笑顔に癒しを得ているという方もいらっしゃいます。

 当団体は、花で人を笑顔にすると共に、飼い主や環境に恵まれず死に直面した犬猫を救い、幸せにすること・笑顔にすることにも力を入れています。様々な娯楽が「人間に必要だ」との行政判断で認知されていますが、人の心を癒し、笑顔にする動物レスキューも、動物のためだけではなく、それを願う人間のためでもあることが認知されるようになってほしいと願います。

 画像は、2015年12月に保健所より引き取り、2016年に旅立った老犬ジェイクです。認知症の老犬の笑顔は、心がピュアな分、人の心に響きます。動物を笑顔にする活動は、すなわち人間の福祉に繋がると思います当団体は、極力悲惨な画像は使わないように心がけております。「養育里親」「花」から始まった団体ですので、常に人を笑顔にすることを心掛けております。

 今後、より多くの小さな命を救うために、シェルターを創りたいと考えております。2017年は、小さなドッグラン(約85坪)を保護犬のために完成させます。当団体流に、花いっぱい野菜いっぱいのドッグランです。人も動物も癒される空間。美しい植物に囲まれた中を走り回る老病傷犬たち。彼らの笑顔を動画で発信したいと考えております。自然には、人や動物を癒す力があります。それを伝え実践する団体として、今後も成長していきたいと考えておりますので、未熟な団体ではありますが、ご指導・ご支援宜しくお願い申し上げます。          2017.4.18、訂正加筆

秘密の花園
秘密の花園